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「うん。旨い」
口に、サックリと焼けたトーストを運びながら、リモコンでテレビをつける拓磨。
「今日は何位かな?」
どうやら、占いを見るようだ。多分、彼の少ないうちの楽しみであるに違いない。
拓磨の家にある物は、全体的に質素だ。特に機能は求めず、使えれば良いと言った感じの。
拓磨の総資産は、三百万プラス、祖父母と父母の保険金。
高校生が持つには高額すぎる。いや、大人が持っていたとしても高額だ。しかし、彼はそれを使って裕福に暮らそうとはしない。家だって、両親がいなくなった今もそのままだ。
ただ、毎日を楽しく生きようとする。それだけだ。
「よし、三位」
微妙なランキングでありながらも、喜ぶ拓磨。どうせなら一位までいって欲しいなど、微塵も思っていない様だ。
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