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自分の力
僕は小学生の頃、身体が弱くイジメられるタイプの子供だった。
母は心と身体を鍛えるべく、剣道、水泳、ホッケー、を僕にやらせた。
きっかけが起こるまではやらされていた、が厳密かもしれない
剣道は間合いが勝負を決める。
父が厳格なしつけを施してくれたせいかすっかり顔色を伺うのが癖になっていた僕は相手の気持ちを読む事ができる様になっていた。相手の焦り、躊躇い、苛立ちを誘い、食いつこうとした瞬間、を狙い撃ちするのが面白かった。
相手が自分の間合いに入ってくる瞬間を捕らえるのが快感だった。
母は負けても正々堂々と戦えと教えたかったらしいが残念ながら母の目論みとは逆の勝ち方を身につけていく。
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