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「十夜は他の女の子の目にも映るんだよ?」
下にいる先輩は起き上がろうとしていた抵抗をやめた
バスのエンジン音がだけが響く
座席に振動が伝わる
「先輩 すねてんの?」
「…え?」
もう 見つかってもいいや
『…ちょっと──!!十夜のバカ!!怒』
怒ってるのに周りに気付かれないよう小声で それがついおもしろくて
『十夜──!!怒』
わざとよく見える首の真ん中に紅いシルシをつけた
「そんなに心配なら先輩も俺につけていいですよ?」
先輩怒るだろうな(笑)
俺が手を離したらすぐ必死に起き上がって俺の腕を叩いてきた
「こっ…ここバスだよ!!信じらんない!!怒)今から十夜のお母さんたちにも会うのに─!!」
さっきは小声だったくせに今は周りが思わず振り返るくらい大きな声で
先輩は周りが注目してることにも全く気付いていなかった
「…ごめッ…(笑)先輩必死すぎ…ウケる…」
俺は手で口元を隠しながら必死に笑いをこらえた
後ろで騒いだりなんかして周りに迷惑な客だなんて思われてるかもしれないけど
今だけは 許して
「おねえちゃん くびいたいの?」
「「?」」
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