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ヤクザでは、上下関係は厳しかったが、けっこうお気楽にしていた。
「山田、アンパンと牛乳買ってこい。」
ある大先輩が俺に言った。
俺はコンビニに買いに行き、そのまま大先輩に出そうとした。
「おい!待て!」
他の先輩が焦って俺を止めた。
「そのまま出す奴があるか!」
と怒られた。
先輩はアンパンを皿に乗せ、牛乳をコップに注いで出した。
まぁ、常識で考えたら普通だがあの時の俺は考えもしなかった。
そういえば、時々見かける。
スーツの集団が看板も何もない三、四階建てのビルに沢山入って行くのを。
俺はいつも、そっち系の事務所だなと感づく。
ヤクザも逃げるような形で俺は辞めた。
それから東京に行った。
そこでも飲食店やら何やらを転々とし、五年いた。
親からの捜索願いで一度地元に帰ったが、ヤクザに追われていると聞いて、俺は広島に行った。
俺の行った地域は夜の仕事が盛んな街だった。
キャバクラのボーイを始め、そこで適当な女と付き合った。
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