4968人が本棚に入れています
本棚に追加
◇◆◇◆◇
「あのぅ、これは何事です?」
「ん?あぁ、ほら!あそこ見てみなよ」
近くにいたどこかの店の主人に聞くと、視線が集まる下へと指を差す。
それに習い、下を見るとそこには人が一人いた。しかし、明らかに何かがおかしい。
「最初見た人の話によると、いきなり現れたらしいよ。見たことない着物だし、異人かねぇ?」
「いきなり?」
確かに着ている着物は見たことがない。しかし気になったのは、いきなり現れた、と言うことだった。
考えこんでいると、周りが更に騒がしくなった。不思議に思い橋下に視線を移すと、その異人らしき人に近づく男たちが見えた。
見たところによると、武士のようだ。腰に差してある刀と身なりがそれを物語っている。
◇◆◇◆◇
一体自分はどこにいるのか、と考えこんでいると、背後の人の気配と足音に気付く。
混乱したままの頭で不安そうに振り返った。しかし、途端に後悔してしまう。振り返らなければよかったと。
「女、貴様何者だ」
最初のコメントを投稿しよう!