未来のない僕だから

現在

「ねえねえ、明日はお休みだから、中華街に行って……」

決して広くはないベッドに腰かけ、手を重ねる二人は、終わりの見えない話に花を咲かせている。

―すごいご機嫌だね、今日は何があったの？

「あ、そうそう！あたしあの映画の続編が……」

決して広くはないベッドに腰かけ、手を握りあう二人は、終わりの見えない話に花を咲かせている。

―ねえ、明日のことよりも、今日の話をしてよ。

「中華街行くなら、早起きして水族館も……」

決して広くはないベッドに腰かけ、頬を寄せあう二人は、終わりの見えない話に花を咲かせている。

―ねえ…僕にも話しかけてよ…。

決して広くはないベッドに腰かけ、男の唇が言葉を遮り、二人は抱き合ったまま倒れこむ。

―ねえ……。