ライブハウス“SPARK”

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彼は、安田昇平、23歳。 通称、ショコラ。 ……なんでショコラなんやろ…? 昇平やから……? “しょ”しか合ってへんやん!? ……まぁ、そんな事は置いといて…。 ショコラは、今日ライブの“ムゲンダイ∞”のギタリストくん。 ライブやるんが大好きで、毎回毎回早よう現れるんやけど、今日はまた特別早い。 「あれ?ショコー、お前ギター新調したん?」 「気付きはりました!?さっすが菊地さん!!嬉しいわ~♪」 「カッコええやん」 この人がオーナーの、菊地ヒデちゃん。 40歳を過ぎた今でもバンドを続けるギターバカ。 「ちょ、貸して」 ヒデちゃんが仕込みの手を止めてショコラのギターを持ち上げた。 「はぁ?ヒデちゃん何言うてんの!?仕込み済んでからにしいよ!!」 「………あかん、なんだか最近怖なった……」 エミちゃんに怒られて、ヒデちゃんはショコラから取り上げたギターを渋々返した。 「そいつ弾きやすいやろ?」 「そ!そうなんですよ!!もう、早よぉみんなの前で弾いてやりたくて♪」 仕込みの続きを始めたヒデちゃんが再び声を掛けると、ショコラは目をキラキラさせて答えた。 そのギターはお前の恋人かっちゅーねん!!でも、こうやってギターばかりに夢中になってるかと思いきや……、 ちゃんと彼女さん、居んねんな……。
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