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~留置所~
K暑は築年数約25年位の3階建の建物だ。
全階の窓という窓には鉄製の縦目の格子が取り付けられている。
物々しい。
正面の駐車場にはパトカーが20台程並び、出動の機会を静かに待っている。
裏側の駐車場には署員のマイカーが十数台、さらに奥に行くと、車輪停めをかけられた車両がズラリと並ぶ。
おそらく盗難車両や放置車両を下げた物だろうか…
俺はその痛々しい車両を横目に見ながら、建物の裏手にあたるであろう通用口から中まで引かれて行く。
一般人が勝手に入って来るような場所では無い事は、その暗がり具合ですぐに分かる。
まさに‘裏口’だ。
建物に入るとすぐに正面入口と繋がる廊下に出る。
入口が違うだけで繋がる場所は同じ所というのは附に落ちないが、どこの暑にもこんな通用口が3、4個あるのは過去の経験から分かっていた。
しかしこっちとあっち、そこには目に見えない境界線があきらかに存在してるのを、こっち側の人間は感じ取る。
そして、こっち側の人間はすぐさま2階にある留置所へと連れて行かれるのである。
続く…
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