不運男.
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「コウ!」 友人の呼ぶ声に俺は振り向いた。 「忘れてるぞ!」 大きく振るその手には半透明のケースが握られている。 俺は自分の記憶を辿り、 それが自分の筆箱であると気づいた。 「悪りぃ、机に置いたままだった」 ジェスチャーをして顔をしかめてみせる。 その時、今まで笑顔だった友人が突然驚いたような顔でこちらを指さした。 と、同時に後頭部に鈍い衝撃。
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