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満月の夜・・・
月が雲隠れし始めた頃
少女は校舎を走っていた
「はっはっはぁっ。」
心臓が五月蝿い
どうしてこんな事になってしまったのだろう
―遡る事1時間前―
私、中川ほとり(ナカガワ ホトリ)が帰る準備をしていると
「ほぉ~と~りぃ~」
と、いきなり飛びついて来たのは、友達の水野 幸(ミズノ ユキ)ちゃん!
スポーツ万能でバスケ部の副部長
みんなからも人気だし、ちょっと日焼けした顔が元気な証拠かな
「なっ、何かな?幸ちゃん」
「あのね、今日ゴミ捨て当番変わってほしいの!
ほら、うちの親勉強のことになると五月蝿いし、塾遅れたらどうなるか…
だからお願い!神様!ほとり様!変わって~。」
両手を握りチュワワのように見て頼んでくる
うっそんな顔されたら・・・
まぁいっか、今日は用事も無いし
「いいよ、変わるよ。ほら!早く行かないと遅れちゃうよ!」
「本当!!有難う!ほとり!
ホントにごめんね、今度何かおごるし!!じゃっ!またね。」
そう言って幸ちゃんは、足早に教室を去って行った
「さて、頑張りますか!」
一人教室に残された私は、ゴミ箱を持ち歩き出した。
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