第1話

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 満月の夜・・・ 月が雲隠れし始めた頃 少女は校舎を走っていた                   「はっはっはぁっ。」                    心臓が五月蝿い どうしてこんな事になってしまったのだろう                                   ―遡る事1時間前―                   私、中川ほとり(ナカガワ ホトリ)が帰る準備をしていると                    「ほぉ~と~りぃ~」 と、いきなり飛びついて来たのは、友達の水野 幸(ミズノ ユキ)ちゃん!                スポーツ万能でバスケ部の副部長 みんなからも人気だし、ちょっと日焼けした顔が元気な証拠かな                    「なっ、何かな?幸ちゃん」              「あのね、今日ゴミ捨て当番変わってほしいの! ほら、うちの親勉強のことになると五月蝿いし、塾遅れたらどうなるか… だからお願い!神様!ほとり様!変わって~。」 両手を握りチュワワのように見て頼んでくる うっそんな顔されたら・・・ まぁいっか、今日は用事も無いし 「いいよ、変わるよ。ほら!早く行かないと遅れちゃうよ!」                   「本当!!有難う!ほとり! ホントにごめんね、今度何かおごるし!!じゃっ!またね。」                  そう言って幸ちゃんは、足早に教室を去って行った                   「さて、頑張りますか!」                   一人教室に残された私は、ゴミ箱を持ち歩き出した。                
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