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急いで走り、角を曲がろうとした瞬間ーーーーーー
ドンッ!
「うわぁっ!!」 ドテッ!
「きゃあっ!!」 ドテッ!
誰かとぶつかってしまい私は、その場で倒れた
「うぅっあっ!ごめんなさい!ごめんなさい!!」
我に返った私は痛さを我慢し、ぶつかった人の顔も見ずひたすら謝った
「いってぇなっ!!」
怒鳴り声にビックッとした私は、泣きそうになったが堪えて謝り続け
「ごっ、ごめんなさい…。」
その時、私は始めてぶつかった相手の顔を見た
「あっ。」
少年だった
ちょうど窓からの月明かりに照らされ、瞳が光り
見ているだけで吸い込まれそう
青く、綺麗で、どこまでも続く海のような瞳
でもどこか寂しそうにも見える
目が離せない
「…この匂い…。」
っと、気づけば瞳を離し、少年は後ろにいて私の匂いを嗅いできて
「わっわぁあああっ!?」
びっくりして我に返った私は、猛スピードで少年から離れた。
少年は俯いて
「血……だ。」
小さな声で何かを言っている
よく見れば背も少し低く小等部の制服だったので
小学生か、とホッと安心した
まだ怒っているかなと思いながらも、私は少年に近づいた
「ごっごめんね。大丈夫だった?」
と、聞くと少年は、満面の笑みで
「うんっ僕は大丈夫だよ!あっ、それよりお姉ちゃん血が…。」
少年に指摘され手を怪我していることに気づいた
さっきまでは、驚いていて痛さも忘れていたけど今、言われて見れば痛かった。
「あっ、このくらい大丈夫だよ!」
大丈夫、大丈夫と言いながら手を振って見せたが
少年は
「見せて。」
手を奪い
何故か、手の傷を舐めはじめた
「んっ!?やぁあっ!!」
くすぐったいような変なような感覚に襲われ
すぐに手を引いた
私は、びっくりしていた・・・少年の行動に
ドキドキ、ドキドキ
心臓の音が早くなり
少年を見ると意地悪そうな笑みを浮かべこちらを見ている
カァーと顔が熱くなった
急いでゴミ箱を拾い、私は逃げるようにその場から走り去った。
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