オウム

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特訓が始まって二日目、合唱部のミーティングがあるというので、練習後、優一と加奈は部員の待つ教室に集められた。 「え~皆さん、合唱コンクールまで、1週間をきりました、全体の状態としては加奈さんが復帰出来ないとコンクール優勝は難しいかも知れません、しかし加奈さんだけに頼るのではなく、全員が一致団結しなければ、優勝を口にするのは甘いと言えるでしょう。」 合唱部の部長が雄弁と語っている、まるで選挙の立候補者のような、熱弁っぷりだ。 「そこで!コンクールまで残り一週間、私は部員の熱意向上のために、強化合宿をここに提案するものであります!」 「・・・・・合宿?」 「何処でですか?」 驚きながらも部員達から質問がとぶ 「ふふ~ん、場所は先生の同級生だった人が経営してる山荘よ、ペンションって言えば聞こえはいいかしら?」 「良いと思います、残り期間でできる限りの事はやっておきたいし。」 その一人を皮切りに他の部員も賛成していった 「加奈はどう?合宿には賛成?」 加奈は少し悩んで、頭の上で丸を作った。 「よ~し決定!それでは、来週の月曜日から一週間の合宿を行います!各自用意をしてくるように、集合時間は9時30分に学校前だ、それでは解散!」 あれよあれよの展開で合宿が決まってしまった、優一は不安げな表情で加奈を見る、しかし加奈は何か考えあるように自信ありげだった。
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