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会議が終わった帰り道、優一は加奈と一緒に帰っていた。
「どうして合宿なんかに参加したの?僕らの声がバレるかも知れないのに!」
「もちろん、ちゃんとした理由があるわ」
「理由?」
「まず第一に合唱コンクールまでとにかく時間がないの、優一は頑張ってるけど、まだまだ練習が足りないわ、だから練習時間を膨大に確保できる合宿に参加した、これがまず一つ。」
「第二に、声の事がバレるかもって言ったけど、それは間違い、学校には500人以上の生徒がいてそんな中をまったく無言で一週間過ごすのは正直無理ね、それに比べて、うちの部活は部員が30人だから人数で比べれば危険は少ないでしょ?」
「でも、ペンションって学校より狭いから学校とあまり変わらないんじゃ?」
素朴な疑問が投げ掛けられる
「うーん確かにペンション内で動き回るには危険が伴うけど、それはこの前の互いになりきるを使えば乗りきれるわよ。」
「え~あれを合宿でもやるの?あれ結構大変だって加奈ちゃんも知ってるでしょ?」
「いざとなったら使えばいいのよ、でも用心の為に、合宿中は常に一緒に行動した方が良いわね」
「た、確かにそうだけど、一緒にいたら怪しまれないかな?」
「ま、その時はその時で付き合ってる事にでもしちゃえばOKでしょ」
「え~!」
「え~って何よ!私じゃあ不満だって言いたいの?」
「いや、別にそういうわけじゃ、・・・・・あ、じゃあ僕、合宿に必要な物色々買わなきゃいけないから、早めに帰るね、じゃあまた明日バイバイ!」
優一は逃げるように走っていった。
「行っちゃた、・・・・・照れたか?同級生なのにどうして下級生に見えるんだろう?、性格かな?見ため?言動?ま、合宿の時にでも観察して見るか。」
優一の反応が面白かったのか少し笑顔で帰り道を歩く加奈だった。
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