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「じゃあさっそくクジを引いてもらいま~す、同じ番号が書かれている人がこの合宿のペアという事になります!」
「クジか・・・誤魔化しは効かないよ、どうしよう加奈ちゃん」
「・・・・・・。」
加奈は何かを必死に考えている、何とかこの状況を乗りきる妙策をひねり出そうとしている。
「・・・・・・・優一、あんた私の声で私の言う通り喋りなさい」
「う、うん。」
加奈が立ち上がり、優一が影で話し始めた
「部長!ちょっといいですか?」
「あれ?加奈あんた喋って大丈夫なの、喉痛いんだから無理しちゃダメだぞ、それで何?」
「クジなら、ランダムに人を選ぶ事はできるでしょうけど、仲良し同志にならないとも限らないんじゃないでしょうか?それならクジ以外にした方が良いんじゃないでしょうか。」
クジの不確定要素を上手ついた加奈、部長もそういえばそうかなと考え始めた。
「ここまできたら、後一押し、優一」
加奈が優一に次の指示を出す、
「部長、私に良い考えがあるんですが」
「何?どんな決め方?」
「先輩と後輩で組むんです、そうすれば上下関係がしっかりして、合宿中に全学年が団結する事ができると思うんです。」
「先輩と後輩で?・・・・・う~んそれなら先輩が後輩を教える形になって練習しやすいって事になるか、うん!加奈の意見の方が良いと思う、よし!じゃあ急遽、先輩と後輩で組む事になりました~! ん~でどうやって決めるの?」
「同じ音域で歌う者同志で組めばいいんじゃないでしょうか?」
「なるほど、それじゃ加奈は優一君と同じ音域だから、合宿中は優一君と組むように。」
「わかりました、任せて下さい。」
加奈は座席に座る。 部長達は他の部員とペアの相談をしている。
「ふ~、お疲れ!いや~我ながら上手いったわ!」
「は~、凄い緊張した、成功しなかったらどうしようかと思ったよ」
「ああやって他人の意見の穴を指摘してから、違うプランを提示してあげれば、人はこっちの方が良い意見に聞こえるのよ、心理ってヤツね。」
加奈が微笑を浮かべながり語る。
「加奈ちゃん?何か恐いよ、悪い人の顔になってるよ」
「あの時、部長が私の意見を聞いてくれた時、掛かった‼って心の中で思ったわ、何か話術で人を操るのって楽しいわ~」
ぶつぶつ呟きながら、笑う加奈を見て、優一は恐ろしくなった、加奈は怒らせない様にしなければと・・・・・・。
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