フクロウ

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合宿初日は時間の関係もあって、本格的な練習は明日からという事になった。 ペンションでは夕食の時間となっていた。 「皆さん、夕食ができましたので、降りてきて運ぶのを手伝って頂けますか?」 火亜乃が部員達を呼びにきたようだ、夕食の手伝いに部員達は出ていく。 「はい、じゃあこの皿をあっちのテーブルにジュースは真ん中のテーブルに頼むよ。」 次々に料理を運ぶ部員達、意外に早く運び終わってしまった。 部長が挨拶をするために、皆の前に出てきた。 「え~それでは、合宿初日ではありますが、練習は明日からビシビシいくので、今日くらいはゆっくりしましょう。頂きます!」 「頂きます!」 食事を始めた部員達、お話しを交ぜながら楽しく食べている。 しばらくすると、火亜乃が皆の前にやってきた。 「私が作った料理はお口に合いますか?」 「美味しいです、火亜乃さん」 「あ、ズルい火亜乃さんの気を引こうとして、火亜乃さん私も美味しいと思いますよ」 火亜乃が出てきて部員達は騒ぎだした、そこに火亜乃はペンションにあったのか、何処からかピアノを引っ張ってきた 「ピアノ?」 「ええ、皆さんが合唱の練習をする際にピアノは必要でしょう?このペンションに元々あった物なんですが、調律も録にしてなくて、私が手入れしました」 「ピアノの手入れができるって事は弾けるんですね?」 「はっは!火亜乃君のピアノの腕は素晴らしいぞ、まさにプロ級と言うやつだ」 「オーナー、それはちょっと言い過ぎですよ」 「火亜乃さん、弾いてみて下さい」 「火亜乃さんのピアノが聴きたいです!」 「困ったな、まさか今弾くことになるとは、少し練習してからでよろしくですか?」 火亜乃はピアノの前に座り小さく優しく鍵盤を弾き始めた、しばらくすると。 「・・・・・ふ~、では弾かせて頂きます」 火亜乃がピアノを弾き始めた、確かにオーナーが言う通り、素晴らしい腕前だ、けして言い過ぎではない、部員達も彼の演奏に聴き入っている、もちろん加奈や優一も、やがて演奏が終わる。 「いかがでしょう?」 一斉に拍手が鳴り、火亜乃を称える。 「部長、彼に明日からの練習に参加してもらうというのはどうでしょう?」 「私も同じ事を考えていたわ、ピアノの伴奏者は人手が足りなかったから、火亜乃さん、よろしければ私達の練習に参加してもらえませんか?」 練習に火亜乃さんが参加!どうなる?
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