カナリア

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帰り道である街中を歩いていると、見覚えのある制服を来た生徒が3人の男たちに囲まれていた、相手は近くにある評判の良くない学校の生徒のようだ。 「帰りの電車賃がなくて困ってんだ~、助けてくれないかな~?、たった千円でいいんだけど。」 「最低ね、他人からお金をとろうなんて。」 加奈は男達に向けて抗議の色を表にした言葉を放った。 「加奈ちゃん、・・・危ないよ」 優一は加奈を止めようとするが、加奈は聞かなかった。 「文句あんの、あんた、人が困ってる時は助け合うのが、普通だろ?」 「どうせ、あんた達が遊びにお金全部使って、帰れなくなっただけでしょ、計画性のない自分達が悪いんだから、諦めなさい。」 強気な態度で話す加奈、こういう時は相手に弱い所を見せてはならないとわかっているようだ。 「おい、あんまり調子に乗ってんじゃねぇぞ、女だからとか関係ねぇからな! さっさと金出しゃいんだよ!」 男が加奈に掴みかかったその時、 「そこのお前ら!何やってる!」 遠くから駆け付けてきたのか、警察官らしき人の声がする。 「おい!、逃げんぞ!早くしろ!」 男の一人が叫んで走り去っていった、他の二人もそれに続く。 掴まれた、服を正し、加奈は深いため息をついた。 「加奈ちゃん!、大丈夫?」 今まで何処にいたのか優一が心配そうに駆け寄ってきた。 「・・・優一、 近くに警察官いない? さっき駆け付けてくれたみたいなんだけど。」 周囲を見渡し警察官を探す加奈すると。 「僕が警察官ですが、どうか致しましたか?、」 加奈は目を丸くして驚いていた、さっき聞いた警察官の声と同じ! 「あんたもしかして、警察官の振りして?」 「初めてこの渋い声が役に立ったよ、街中で大声をだすのは、ちょっと恥ずかったけどね。」 優一は笑って答えた、その話しを聞いて加奈は緊張が切れたのか、再びため息をつく。 「まったく!、結構怖かったんだからね!」 「ごめんね、でも僕には、ああするしか思いつかなくて、腕ずくってわけにも。」 おろおろし初める優一。 「でも、ありがとう、どんな方法であれ、助けてくれて。」 「・・・うん。」 「よし!、今日は二回も助けられたから、私が何かおごってあげる、行こう!」 音楽室の時の様に優一の腕を引っ張って行く加奈、この日は、加奈が優一を見直した日であった。
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