籠球

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訳もわからないまま前を歩く葵について行った。 「……ここ」 立ち止まったのは、こないだ1人で来た河原のベンチ。 「このベンチがどうかした?」 「…この前、1人でここに来たら、突然頭が痛くなったの」 「…記憶、戻ったのか?」 「思い出したと言えば思い出したのかな…。 その時、槙原君と私の2人で座ってる所が見えた気がして…一瞬だったからよくわからなかったけど、 私達、笑ってた……」 「そっか…」 「……ねぇ、槙原君、本当に教えてくれないの? ……思い出したくても思いだせない。もう、苦しいよ…」 不安げに声を震わせる葵。 気がついたら葵を抱き締めてた…。
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