死体曰く、

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「ちょっとお話でもしませんか、ってその人が言ったの」 「ぜひぜひって感じだったわけ。促されるままに、あたしはカウンター前の椅子に座った」 「その人はピアノの上に丁寧にカバーをかけてから、蓋を閉じた。そして立ち上がり、店の扉を閉めたの」 「本日は閉店ということにしちゃいましょう、そう言って『closed』の札を下げちゃった」 「人の店なのに、何考えてるのって感じだよね」 「でもあまりにも自然な仕草なわけ。だから違和感なかった」 「ってあーごめん、話長い?」
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