死体曰く、

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「んなわけないでしょって、あたしは言った」 「妄想はあくまで妄想。現実とは違う」 「そう言ったら、その人はうんうんと頷いた。なるほどね、と言って笑った」 「じゃあ現実って何ですか? と聞かれたの」 「あたしは言葉につまった。リアルな方、って言おうとしたけどそれじゃ全く説明になってない。現実ってなんだろう」 「その人は続けた。この世界でも、妄想でも、夢でも。その人にとって現実だと感じられるものが現実だと思います、って」 「つまり現実は、私たちが選ぶんです。いくつかある世界の中から。そう言ってお茶を飲んだ」
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