太公望×半蔵

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「さぁ、どうする?」 長い沈黙、その間半蔵は何か言おうとしては口をつぐむ事を繰り返している。 意を決したか、半蔵が口を開く。 「……約束しよう」    よし 自然と口の端が持ち上がる。 「ではさっそく…」 半蔵の隣に座りもたれかかる。 「太公望どの…?」 「暫しこうさせてくれ」 「…もしやこのためだけに?」 察しがいいのう。 「……」 半蔵がまじまじと見つめる 「どうした?」 「やはり『坊や』だな…」 なっ…!! 「その言葉今すぐ取り消せ!」 「ことわる」 今までの仕返しとばかりに悪戯っぽく微笑む 「むぅ…」 「拗ねるほどか?」 「…」 心配そうに顔を覗き込んできた。 「ん」 「!?」 半蔵の唇は柔らかく、思った以上に暖かかった。 「これで勘弁してやる」 「…卑怯者」 「策士家じゃと言っただろ?」 ―了―
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