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「傷…?」
「失礼…見苦しいものを」
「そんなの俺にだってあるぜ、少し見せてくれ」
「承知…」
「へぇ…」
半蔵の顔を見て、思わず感心してしまった
俺と全く同じ場所にある十字傷、それよりもその傷があっても美しいと思える整った顔だった
「良い顔じゃねぇか、何で隠す?」
「…目立っては忍失格、そろそろ仮面を…」
「それは聞けんな」
仮面を置き半蔵の顎を指で持ち上げる
「何を…」
「もう少し見ていたい」
「物好きですね…」
どれくらい時が経ったのか、それを気に留めない程魅入られていた
「何をしている、主」
声の方を向くと小太郎が居た
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