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◇
――神龍神社境内――
「もしもし、静香姉?」
着信のあった携帯を耳に当てる。
あれから少ししてから琴葉を降ろし、座り込んで休憩している。
流石に限界だったからマッサージしながら、体力の回復に努めた。爺達が敵を逃してこっちまで来る可能性もゼロではないので、階段の所で監視している。
琴葉は歩けるようになったようで爺の言われた通りに、お茶を用意しに行った。
……なんか俺背負わなくてもよかったようなくらいの回復ぶりなのが凄い気になった。
『誠、バッチリ上手く行ったから安心していいよ』
流石静香姉。あまり心配してなかったけど、報告を聞けて安堵した。
前門の爺、後門の静香姉と言う来栖立案の作戦。
俺と静香姉が仲がいいのを知った来栖が、手伝って貰おうと交渉していたんだが上手く行った。
流石に気が引けたんだけど相手が相手だったからなぁ。
静香姉がうちのバックにいると知らしめれば、不良達が再び俺達を襲って来る事はまずないだろう。
それほど静香姉の名は有名だから。
卑弥呼だけでなく、他の暴走族の仲間もいて逆らえば地獄を見るのは明らか。
なんだか反則技みたいな気がしてならないけど、向こうも三人にあんな人数は反則だし。
……ちなみに爺は、暴れたいから自分から参加したみたいだったけどな。
まあ、琴葉の事で自分が直接手を出せないのを悔しがっていたから不良達死んでないといいけど。
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