前門の虎、後門の狼

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◇ あれから俺は階段を下り、静香姉達は不良達を引き連れ爺達のいる辺りで合流した。 一度不良達を脅して電話をかけさせたりもした。用が済んだら爺は神社まで戻って行ったけどな。 とりあえずまた下まで降りて解散にする事になった。 後は来栖のでき次第で作戦変更だ。桐沢が乗ってこなければ不良達を使えばいい。 どんなに完璧だと思っている犯罪でも、人が行った物である以上念入りに叩けば必ず綻びが生じる。 なければこっちから出させてやればいい。 それにしても…… 「未知。もういいだろ?俺疲れてるから……」 なんか「琴葉ちゃんは狡い!僕にもやってくれなきゃ泣くからねっ」とか言われて……まあ、俺の背中を占領してますね。はい。 正直暴走族の皆様に囲まれているので、恐いやら恥ずかしいやらで大変早く帰りたい。 「分かったよ……ごめんね誠」 名残惜しそうに降りて行く未知。なんか俺が悪い事したような気分になるな。 遠山は静香姉になぜか説経されながらぶっ飛ばされている。 なんか爺の後ろで馬鹿笑いするだけで、未知に敵を任せて戦わなかったのがお気にめさなかったらしい。 後通信機盗んだ不良は……丁重におもてなししましたよ私。 不良達は散々脅して住所まで調べ上げたから大丈夫だ。というか、物凄い怯えて会話にならない。静香姉……俺が来るまでにどんな仕打ちをしたのやら。
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