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さて、もう解散しなきゃ。これだけ人数集まっていると流石に御近所の皆さんに注目されるしな。
「今日はもう解散で大丈夫ですので!皆さんありがとうございんお!?」
静香姉の友人方に御礼を言って頭を下げようとしたら、ガシッと頭を掴まれた。
「困るね誠。こいつらは私が頼んだんだ。誠は私だけに御礼を言えばいい」
この声は静香姉。相変わらず力が強くピクリとも頭が動かせなくなる。
「え……そういう訳には……」
そういうと私服を着た、静香姉の仲間の暴走族の皆さんが声を掛けてきた。まあ、私服だから皆が暴走族仲間かは判断出来ないんだけど。
「誠君だったか?俺達は今日は私服だ。つまりただ遊んでただけだって」
「そうよ。ただの暇つぶしだしねー」
「静香さんに会いに来ただけっす!」
静香姉は皆の反応に満足したようで、ニヤリと笑みを作る。
「誠?早く言わないとお持ち帰りするよ」
うーん……イマイチ俺には理解出来ないけど、気持ち良い人達だな。貸し借りが嫌いなのか、御礼言われるのが苦手なのか。
静香姉を見ると格好いいウインクをして、笑顔を向けてくれた。
「静香姉ありがとう。本当助かったよ」
「お、おう……当然だよ。いつでも姉ちゃんに頼れ!」
ちょっと照れ臭そうに視線を逸らして、頬をポリポリと掻く静香姉。
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