前門の虎、後門の狼

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「あのさ……折り入って静香姉に頼みがあるんだけど……」 「ん?」 正直こんな事頼んでいいのか分からないんだけど、ダメ元で一応聞いてみよう。 「もう足が限界でさ……けど急いで帰らなきゃいけなくてさ……時間あればでいいんだけどバイクで送ってくれないかな……?」 遥さん待たせちゃってるだろうし。早く帰らないと行けない。本当なら爺と琴葉に会ってから、来栖に色々問い詰めたい事があるんだけどな。 来栖には夜連絡しよう。……待てよ。俺の携帯の画面も遥さんに会う前に変えとかないとな。 「なんっ……だと!?もう一度言ってみろ!」 まずった!? そんな俺の言葉に物凄い迫力で迫り来る静香姉。 「ちょっ!総長抑えて下さい!」 「馬鹿かお前!静香さんは今まで誰も後ろに乗せた事ないんだぞ!お前なんか乗せる訳ねぇだろが!」 「総長を足に使おうってか!?ふざけやがって!この糞餓鬼が!」 うわああ……ヤバイ……超恐いんだけど。 静香姉と俺の周りを暴走族の皆様が、メンチ切りながら取り囲み始めた。
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