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「僕も乙女座だよ!!フラメンコ踊ってたら誠が僕に告白を!?むきゃーー!!」
未知も風が巻き起こる程の全速力でびゅん!と廊下に走り去った。
あれ?未知まで信じちゃったよ……どうしよう。
とりあえず琴葉に向き直り聞く。
「あー琴葉。お前は遠山の事どうしたいんだ?」
声を掛けると二人を呆然と見送ってた琴葉がこっちに向き直り口を開く。
「私は……その……誠ちゃんの友達だから……けど……その……」
こいつは……本当自分の事は二の次に考えるんだよな。
「琴葉、お前は自分の好きにしたらいいんだよ。好きでもないやつと付き合ったら俺はお前を許さないからな」
「誠ちゃん……」
どこか嬉し気にこちらを見つめてくる。
俺はポケットからくしゃくしゃに丸めた手紙を取り出し広げ。なんとか手紙の形に戻し琴葉に渡す。
「これ遠山に渡してこい。優しく断れる内容書いてあるから」
「え?けどこれってお爺ちゃんの……」
「大丈夫だから。たまには自分で渡してこい。一緒に行ってやるから」
そう言って優しく微笑み頭をゆっくりポンポンと叩いてやる。
「うん……頑張るよ」
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