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ラストを迎える激しい音楽の流れに乗り、二人も激しさを増し感動のフィナーレを予感させる。
二人はまるで合わせたかのように同時に声高に叫ぶ。
「「オーレ!!!」
鏡合わせに立ち両手を天に向かって勢いよく伸ばし、首も後方に向けて伸ばし天を仰ぎ見る。
二人のやり切った顔が浮び、周りから拍手が巻き起こった。
……バカだけどここまでやり切るとは凄いなこいつら、ちょっと感動したじゃないか……
「琴葉、今だ!遠山に手紙を渡してこい!」
「え……今……!?」
琴葉は異様な熱気と周りの拍手の雨に尻込みしている。
仕方ない奴……
琴葉の腕を掴み強引に連れて行く。戸惑う顔をしていたがなぜか嬉しそうな顔をしているような……?
こちらに気付いたまだ息の荒い遠山が声を掛けてきた。
「あ、琴葉ちゃん?」
うーん……そう言えば最初から完全に馴れ馴れしく名前で呼んでるよなこいつ……まあいいけど……
「遠山、よかったぞ?未知もな」
そう言うと未知ががばっと腕に抱き着いてきた。
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