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始業式もつつがなく終わり教室に戻る。
教室も朝来た時と違い皆揃い、席一杯に埋まりがやがやと騒がしい。
「それにしても校長今日も現れなかったな。本当に存在するのか?」
などと疑問を投げ掛けてみる。今日も校長の代わりに教頭が挨拶をしていたしなぁ。
俺の呟きに未知が答えてくれた。
「僕もまだ見たことないよ……それにしてもあれ……なんとかならないかな?こっちまで気分下がるよ」
未知が呟き指を差す。指の先には遠山が居た。俺達は一番後ろの列と前の列を陣取り座っている。
俺が窓際の一番後ろその前が遠山。遠山の右隣が未知その後ろに琴葉が座っている。
遠山は頬杖をつき窓の外を見つめ恋に破れた乙女のようにため息を漏らす。
「空ってさ……なんでこんなに青いのかな……?俺の心は曇り空なのにさ……ふふっふふふふふ……」
快晴の天気の空を見てから伏し目がちにそう呟く遠山。心なしか口調もなんだか変わっている。そんな遠山を心配して琴葉が俺に声を掛けてきた。
「誠ちゃん……遠山君大丈夫かな?」
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