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「あの、ベル先生?礼儀知らずな遠山は倒しました……機嫌直してくれますか?」
俺はしゃがみ込み先生と目線を合わし言う。見下げるより同じ目線のが子供は安心するのだ。……子供ではないと思うが。
ベル先生は少しだけ顔を上げチラリとこちらを見る。
本当、小学生に見えるな。
「あ、飴があるんですがよければ気分直しにいかがですか?」
子供をなだめる要領で飴を与えてみる。するとベル先生は俺の手からゆっくりと飴を奪い頬張りころころと口の中で転がす。
「……おいひ」
遥さんに持たされたハンカチをポケットから取り出し渡してやる。
「先生これ使って下さい。HR始めましょう」
「……うん」
ベル先生は涙を拭き立ち上がり機嫌を直す。
俺は遠山の足を引っ張り席に戻る。未知と琴葉から声が掛かる。
「誠ちゃん凄い」
「誠、浮気は許さないよ!」
なぜかご機嫌斜めで頬を膨らます未知。
えと、何て答えれば?
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