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ベルちゃんは遠山と未知を無視して、小声で俺に話し掛けてきた。
「ところで誠、最近変わった事はないか?普段と違う不思議な事があったり見たり」
「不思議な事……?」
決してふざけた物言いではなく真面目に聞いてくるベルちゃんに言葉が詰まる。
不思議な事……?今朝見た夢か?それとも白昼夢?
「……別に特には」
あれは別にたいしたことないだろうと思い否定した。
「そうか……もしもだ。何か普段と変わった事があればすぐに私に言え……絶対だ」
初めて見る真剣な顔をして俺を見るベルちゃん。
「……ああ」
いきなりな話だが笑う気がまるでしなかった。なぜだろう……俺は何かを予感している……俺の中の何かが警告している気がする。
もやもやとして霞がかったように形にはならないが一つだけ分かる感情がある。
『雪鬼誠……お前に危険が迫っている。気をつけろ』と……
何に対して……?
「いいか……忘れないようにな」
ベルちゃんは去っていき俺の思考は中断された。
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