汗と青春と部活のプレリュード

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「部長。見学者全員帰っちゃいましたね……手を抜いて演舞でもやった方がよかったですかね?」 「はっはっは!やる気のない奴はいらん!いらん!」 豪快に笑い飛ばす部長殿……俺がしっかりしなければと思わせてくれる人だ。 「けど部員増えないとまた生徒会の奴らに文句言われますよ?」 「なぁに、対抗戦で勝ち上がれば文句も言うまい。お前達が強くなればいい」 対抗戦は五人で行われる。勝ち抜き戦で行われるから俺と部長と未知で五勝すればいい訳だけど…… 体力的に集中力的にもキツイと思うんだけどな。 遠山はすでに戦力外で数えている俺達。 「今日はもう好きにしていいぞ!勧誘は各自に任せる!」 そう言って部長は帰って行った。 はぁ……相変わらず細かい事を気にしない人だな…… とりあえずお腹空いたし昼ご飯にするか。 「皆昼ご飯にするか?」 「「おう!!」」 元気に返事を返してくる未知と遠山。胴着のまま三人で屋上に向かった。 屋上に続く階段を上りドアを開けると心地よい春の暖かい風が頬に当たる。 柔らかい日差しが気持ちいい。屋上には誰もいないようで静かだが、地上からは新入生の勧誘の声がここまで響いてくる。
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