汗と青春と部活のプレリュード

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「くっくっく……皆の衆……最後は主役の番のようだな」 遠山はなぜか偉そうに弁当箱に手をかける。 こいつはいつも調理の専門学校に通う姉ちゃんに弁当を作って貰っている。 さすが専門学校に通うだけありかなりの腕前で、凄い美味しそうなので俺と未知は強引に奪って食べる程だ。 ごくりと唾を飲む俺と未知。たかが弁当されど弁当。今日のメニューはなんだろうか。 「オープンザベントゥ!!」 遠山の奇声と共に弁当が開かれた。 弁当箱は黒一色に染まっている。漆黒の草原、それは何を意味するのか……漆黒の草原、その名は…… 「なぁ遠山……」 「ねぇ遠山……」 「「ノリ弁?」」 そう弁当箱一杯にご飯が敷き詰められその上全面に黒光りするノリが敷かれていた。……おかずは見当たらないよな。 「嘘だああああああ!!」 遠山のこんなの夢だ夢に決まってるさ!な絶叫が響き渡る。 その時弁当を包んでいた布の中からパサリと紙が落ちた。遠山は気付いてないようで未知と勝手に見てみる。
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