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駅前のカフェでバイトをしている私｡
｢青木 紗奈(ｱｵｷ ｻﾅ)｣
19歳の短大生だ｡
平日にバイトに入る私には､
今密かな楽しみがある｡
その楽しみは
毎週水曜日の２時頃に訪れる｡
比較的に客の少ない店内に
一人の男が
毎週決まったこの時間に
店に来るのだ｡
彼はいつも
通りに面した窓際の
あの席に座る｡
レジにいる私は
彼が最初に
コーヒーを注文するとき以外は
接する機会はない｡
あとはレジから
彼の横顔を
密かに見つめることしか
できない｡
彼のこと何もしらないのに
こんなにも
胸がどきどきしてしまう｡
お釣りを渡すとき､
彼と一番近づける｡
彼が帰るとき､
小さな微笑みをくれる｡
私にはその小さな幸せが
嬉しくて嬉しくて｡
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