112人が本棚に入れています
本棚に追加
それから数日経って、
私はお兄ちゃんの束縛から
逃れるために、
住所をあかさず
ヒロの家へ
引っ越すことを決めた。
今逃げなければ
一生逃げられないことを
私はわかっていたからだ。
親の承諾を得ての判断に、
さすがのお兄ちゃんも
何も言わなかったけど……
今後もヒロが狙われることは
目に見えていた。
それでもヒロは、
『俺がルイを守るから。』
そう言って、
今でも私の側にいてくれる。
あの時
お兄ちゃんに殴られた拍子に
手放してしまった
あのシルバーリングは、
きっとまだお兄ちゃんの部屋で
大事に保管されているのだろう。
あのときの私の喜びと悲しみを
その輝きに秘めたまま…。
最初のコメントを投稿しよう!