chapter3《親友》

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「腐るほど男がいたって 私が思ってるような人とは なんか違うんだよね-。 樹里に彼氏がいないの 不思議だよねっ!」 陽菜がやわらかく微笑む顔は 芸能人なんかよりも うんと可愛く見えた。 『無理矢理つくろうとは 思わないからね。 時期が来たら考えるよ。』 変に余裕な発言を してしまった自分に、 言った後で後悔した。 今は陽菜に彼氏がいないから 私は焦らないんだろうと思った。 陽菜に彼氏ができたら… 陽菜をとられてしまったという 嫉妬に刈られてしまいそうだ。 自分のものでもないのに…。 そう密かに思っている私に、 陽菜はまた 優しく微笑んでくれた。 もしかして… 哀れんでいるのかな、 呆れているのかな、 微笑む陽菜の目は 私に何か言いたげだ。 しばらくして陽菜が 私から目をそらし 手元のコーヒーを見つめながら 言った。
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