chapter3《親友》

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「ねぇ樹里知ってる? ピンキーリングの話…。」 私はきょとんとして首を傾げた。 「入ってきた幸せは 小指から逃げていくから ピンキーリングで 止めるんだって…。 幸せが逃げていかないように!」 私は疑うように 陽菜を見ながら笑った。 「信じてないでしょ!! 本当なんだから!!」 私はうんうんとうなずいた。 もちろん 信じてなんかいなかった。 「いつかお揃いのやつ買おうね! お互いの幸せが にげないように。」 陽菜は冗談で言ったことでも、 私には多大な影響を与えている。 陽菜の一言一言が 私を幸せにしてくれる。 指輪なんていらないと思った。 ―…そうやっていつもどおりの 陽菜とのご飯の時間も過ぎていった。 陽菜に会う度に 陽菜を好きになる私だけど こうやってまた 1ヶ月会わなければ大丈夫。 どちらかが 彼氏をつくらない限り こんなばかげた気持ちは 冷めないよ。
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