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私が歩きだしたその後ろから
私を呼ぶ声が聞こえた…
「樹里―!!」
間違いなく
陽菜の声だとわかった。
私は振り向いた。
陽菜は約束を破らなかった。
最後に会えた。良かった…
えっ…―陽菜?
私が振り向いたと同時に驚いた。
私の目の先にいた陽菜は
驚くほどに
髪をばっさり切った
少年のようだった。
陽菜は私の目の前で立ち止まり
息を切らせた。
「間に合ってよかったぁ!!」
『…どうしたの。その髪…。』
私は息を切らせて
うなだれている陽菜の顔を
のぞき込むように近づいた。
すると陽菜は
私の腕をがしっと掴んだ。
ものすごい力だった。
私はびっくりして固まった。
陽菜は顔をあげて
私の目をじっとみあげた。
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