chapter3《親友》

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『陽菜…私たちは友達でしょ? 離れても大丈夫だよ。 また帰ってくるから。』 私は冷静を装って 陽菜を優しく撫でた。 陽菜が傷つかないように… 陽菜が安心できるように… でも本当は私も 苦しいほどだったんだ。 ―陽菜の本当の気持ちを知って― 本当はこのままギュッと 抱きしめてしまいたかった。 叶わないこの恋を…。 今まで気づかなかった お互いの想いを…。 「………樹里っ!!」 今、私の本当の恋が実ったのに 自分から崩してしまった。 彼が私を探しにきたのだ。 「待ってるのにこないから 心配しただろ…。」 そう言いながら彼は 私と陽菜を見ながら、 陽菜に少し頭を下げて、 「あえて良かったな。 …もう時間だよ。」 そう言って 私から陽菜を引き離した。
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