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『陽菜…私たちは友達でしょ?
離れても大丈夫だよ。
また帰ってくるから。』
私は冷静を装って
陽菜を優しく撫でた。
陽菜が傷つかないように…
陽菜が安心できるように…
でも本当は私も
苦しいほどだったんだ。
―陽菜の本当の気持ちを知って―
本当はこのままギュッと
抱きしめてしまいたかった。
叶わないこの恋を…。
今まで気づかなかった
お互いの想いを…。
「………樹里っ!!」
今、私の本当の恋が実ったのに
自分から崩してしまった。
彼が私を探しにきたのだ。
「待ってるのにこないから
心配しただろ…。」
そう言いながら彼は
私と陽菜を見ながら、
陽菜に少し頭を下げて、
「あえて良かったな。
…もう時間だよ。」
そう言って
私から陽菜を引き離した。
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