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「入ってきた幸せは
小指から逃げていくから
ピンキーリングで
止めるんだって…。」
陽菜がそう言ったよね。
私はあの日、
陽菜と両想いになった幸せを
逃がしたくないから…
はめているんだよ。
お揃いのやつは
買えなかったけど
私は今なら
この話を信じてもいいと思う。
陽菜の気持ちが
冷めてしまわないように。
私はいつか…
お揃いのリングを持って
陽菜に会いに行かなくちゃ。
その時はもう
寂しい想いはさせないよ。
私はもう自分の気持ちを
押さえ込むことを止めた。
―私は女を愛した女―
実らない恋なんてないと思った。
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