chapter3《親友》

15/15
前へ
/183ページ
次へ
「入ってきた幸せは 小指から逃げていくから ピンキーリングで 止めるんだって…。」 陽菜がそう言ったよね。 私はあの日、 陽菜と両想いになった幸せを 逃がしたくないから… はめているんだよ。 お揃いのやつは 買えなかったけど 私は今なら この話を信じてもいいと思う。 陽菜の気持ちが 冷めてしまわないように。 私はいつか… お揃いのリングを持って 陽菜に会いに行かなくちゃ。 その時はもう 寂しい想いはさせないよ。 私はもう自分の気持ちを 押さえ込むことを止めた。 ―私は女を愛した女― 実らない恋なんてないと思った。
/183ページ

最初のコメントを投稿しよう!

112人が本棚に入れています
本棚に追加