第一章

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少年は一人待合室で,ただただ無事を願い,治療が終わるのを待っていた。 "あの人に一体何があったんだろう。あの人…何か能力(チカラ)をもっているようだったけれど…。" ふいに声をかけられた。 「おいチビ。終ったぞ。一命は取り留めた。」 あれから三時間がたっていた。 汗まみれのドクターに少年はタオルを差し出してから,病室へと足早に駆けて行った。 「もう少し遅れていたら危なかった。助かったのは奇跡的だぞ?」 後から追いかけてきたドクターが戸の前に立っていた。 「そっか。」 少年はそれだけ言うと,とても興味深そうに横になっている人を見ていた。 助けたい一心で必死になっていたので見ていなかったが,その人はとても整った顔立ちをしていて、男からみてもかっこいいと思うほどの少年だった。 歳は…… ""ガタン!!!!"" その時だった。 地面が大きく一度揺れた。 たった一度の揺れだったが,近くにあるものはその衝撃で全て落ちたり割れたりしていた。 2人はびっくりして身をかがめた。 少年はしばらくして立ち上がり,男の無事を確かめようと,ベットを覗き込んだ。
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