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少年は一人待合室で,ただただ無事を願い,治療が終わるのを待っていた。
"あの人に一体何があったんだろう。あの人…何か能力(チカラ)をもっているようだったけれど…。"
ふいに声をかけられた。
「おいチビ。終ったぞ。一命は取り留めた。」
あれから三時間がたっていた。
汗まみれのドクターに少年はタオルを差し出してから,病室へと足早に駆けて行った。
「もう少し遅れていたら危なかった。助かったのは奇跡的だぞ?」
後から追いかけてきたドクターが戸の前に立っていた。
「そっか。」
少年はそれだけ言うと,とても興味深そうに横になっている人を見ていた。
助けたい一心で必死になっていたので見ていなかったが,その人はとても整った顔立ちをしていて、男からみてもかっこいいと思うほどの少年だった。
歳は……
""ガタン!!!!""
その時だった。
地面が大きく一度揺れた。
たった一度の揺れだったが,近くにあるものはその衝撃で全て落ちたり割れたりしていた。
2人はびっくりして身をかがめた。
少年はしばらくして立ち上がり,男の無事を確かめようと,ベットを覗き込んだ。
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