第一章

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朝。おきるとそこに飛慰也はいなかった。 飛優は色々な所を探した。 "きっとこの島のどこかに居る。" 何故かそう確信があった。 ―――ピ━━━━ン―――。 ふと頭の中で、稲妻が走った感覚があった。 それと同時に脳裏を駆け巡る情景。 映ったのは飛慰也の後姿。 目の前には海。 そしてその"映"からは,悲しみや憎しみ・怒り……たくさんの強大な"陰の心"が大きな波となって押し寄せてくる感覚がかんじとれた。 ただ少しだけ…何か安らぐものがあったが…。 "これは………飛慰也の…こころ?" ――ふと我に返り,海のほうへ。 飛慰也の元へと駆け出した。 茂みを掻き分け,森を駆け抜け,海を目指した。 浜につくと,真っ先に飛慰也を探した。 今…"一緒にいてあげなければいけない"と, 何故かそうおもっていた。 泣いているのではないか…と。 辺りを見渡して,必死に探す。 ――――……いた!!! そこは少し盛り上がったようになっていて,そこに大の字になって寝そべっている飛慰也がいた。 「飛慰也さん!!!」 大声で叫びながら駆け寄っていった。
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