梟と猫

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 松永は永遠と続く会議に退屈を隠せないでいた  昔はもっと強引に買収しても文句など言われ無かったのに…  会議資料をペラリと捲りつまらなそうに溜め息をついた  隣に座る秘書の三好がわざとらしく咳払いして注意するが、松永はそれを軽く流してもう一度溜め息をついた  松永は、最近構い始めた赤毛の無口な子猫の事を思いだした  知り合いの会社の役員からの紹介だった  妻を早くに亡くした松永は、今まで家政婦を雇っていた  その家政婦が年老い引退してしまい困った、と世間話のつもりで喋ったところ、ならばと受けた話だった  やってきたのは、橙色の鮮やかな髪をしたひょろりと細い少年だった  しかも無口  最初松永は、いじめてやろうと考えていた  まだ高校生の少年に何が出来るというのだ  細かくいびれば直ぐに辞めるだろうと思っいた  所が、役員の兄弟と言う少年は、松永の想像以上に良く働いた  毎日の掃除に始まり洗濯、アイロンがけまで、全てが完璧だった  おもわぬ拾い物をしたものだ  松永は小太郎のちょっと困り気味に歪んだ顔を思い出し、クスリと笑った  それを見た三好は、ウンザリと眉をしかめるのであった
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