一攫千金

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ともあれ、天気は快晴。やってきたフリマ会場である公園の広場には、俺の予想に反して結構な人数が集まっていた。 「へぇー……すごいもんだな。いつもこうなのか?」 「いえ、私も今回が初参加なので……。あ、あそこに皆いますよ」 出店スペースの一角に達也達は既に集合していた。どうやら俺達が最後のようだ。 「ふん、遅いぞ黒崎! 僕に恐れをなして逃げ出したのかと思ったぞ!」 「いやぁー、悪い悪い。無色の王を止める為に学園から皆を避難させたりしてたら遅くなっちまって。な?」 「な? じゃないですよ?! 何さらっととんでもない嘘ついてんですか?! クロだから? クロだからですか?!」 「え? ……そっか、お前は覚えて……いや、何でもない。忘れてくれ」 「気になる! 気になりますよ! それ絶対私が知覚してないとこで一悶着ありましたよねぇ?! てか、私どのポジションなんですか?!」 「……シロはきっと何処かで生きてるもんっ」 「瑠璃さん、何故ネコ役なんですか。オパーイですか。オパーイで決めたんですか」 「何? 俺死んだの?」 シロが困惑する中、俺は自分で始めたコントを無視して達也に話しかける。 「もう始まってるのか?」 「いや、10時開始だから……あと30分あるな。その間に改めてルール確認しとくか」 そう言うと、達也は「皆、聞いてくれ」と全員の注目を集めた。途中の過程は知らんが、何故か皆で「No Blood ! No Bone! No Ash!」と叫んでいた茜達も中断し、達也を見た。 「知っての通り、このフリマは勝負の一環だ。各自製作した作品に値段を付けて売り、1番儲けた奴の勝利となる。例え完成度の高い作品でも、売れなきゃ負けだ。最下位はトップの奴の言う事を1つ聞かなきゃならない。いいな?」 ふむふむ。まぁ、この辺は確認するまでもないな。 「小物を1個だけ売って最下位は回避、なんてズルは認めない。その場合、売れなかった奴と作品の質を比べて俺がジャッジする。俺がルールだ。俺がガンダムだ」 「アリオスが1000コスってどんなイジメだよって話だよな」 「だったらキュリオスで良かったのにな」 「馬鹿、それじゃマリー出せないだろ」 「覚醒技でしか喋らない存在に何の意味があるんだ!」 「……! ……っ!」 「なんか言い返せよ」 「……いいから進めようよ」 瑠璃に呆れられちった。
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