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そして嫌がる相楽を無視して、シャッターを1秒間に16連写しながら彼女の周りをぐるぐる回った。
「眩しっ! いや、先輩、だからぁ……!」
「さ、とりあえず脱いじゃおうか? 服って邪魔じゃない? 君の魅力隠しちゃういけない布じゃない?」
「いーやー! お、怒りますよ?! 私だって怒るんですからね!」
「いいよ! いいよその涙目でムッとしてる顔! 可愛い! 可愛いよ!」
「か、可愛くないですってばぁ……。も、もうホントにぃ……!」
次第に嫌がる動きも鈍くなって、肩を抱いて「うぅー……!」とこちらを睨む相楽に、新鮮な萌えを感じた。そうだ、これだよ! 最近皆俺への対応に慣れちゃってたから味わえなかったこの感覚! もっと! MOTTOだ! 今、俺のヴィンテージが芳醇の時を迎える……!
「黒崎、抜刀」
「いぃーーーやぁーーー!!」
「爆ぜろリアル弾けろシナプス……!」
「やだやだやだぁーー!!」
「バニッシュメント・ディ――」
「「――いや、止めろよ!!」」
「ほぇ?」
そろそろ膝が飛んでくると思って身構えてたのに! なんでずっと見たままなんだよ茜さんよぉ!
「あぁ、すみません。月夜にキュンキュンしてました」
「さ、最悪! 最悪だよこの親友!」
「でも……茜と月夜は……ずっ友達だょ……!」
「やかましいわ!」
ギャーギャー騒ぐ相楽を茜があしらうという滅多に見れない光景に俺はそっと頬を綻ばせる。……この2人なら大丈夫だろう。
そう確信し、俺は颯爽とその場を後にしおやおや急に視界が高くなって背骨がギシギシとまずいこれ鳴っちゃ駄目な音だ。
「……それで、センパイは何ならフリマで産廃にならずに済むかって話なんですが」
「ったく……。そうだなぁ。もう産廃な気がするけど……」
「え? 俺このままで話続けるの? 折れちゃうよ?」
「センパイはアルゼンチンバックブリーカーくらいで折れるようなヤワな身体してないですよ」
「買い被りだ!」
どうやら俺に制裁を加えないと気が済まないようだ。……仕方無い、これ以上話が進まなくても困るし、我慢するか。
「……茜、マジで耐えてるよこの人」
「まぁ、グロ肉になっても生きてたくらいですから今更驚きませんが……よいしょっと」
周りに健気な俺を不憫に思ってくれたのか、茜は俺を床に降ろした。あー痛かった。
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