密室と蝋燭

3/5
前へ
/5ページ
次へ
 妙に現実的味のある不気味な夢だったな……と思ったのは朝の内だけで、午前中を会社で忙しく過ごしていると、気にしている余裕などなかった。  その夜から、毎晩同じ夢を見るようになった。  薄暗いその部屋は退屈だった。  最初こそ静かなその部屋は、一人で考え事をするのには最適だ、と前向きに考えていたが、こう毎晩続くと流石に耐えられなくなった。  さらに何も変わらないこの部屋で唯一、蝋燭の長さだけは長くなっていくようだった。正確な時間は分からないが、今では3時間は閉じ込められるようになっていた。
/5ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加