密室と蝋燭

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 平日でも休日でも、何をしていてもあの部屋の事が頭から離れなくなった。家に帰り床につくのが憂鬱に感じるようになった。彼の精神は、夢に蝕まれ荒んでいった。  薄暗い部屋を照らす蝋燭はゆっくりと短くなる。随分と長くなった蝋燭がゆっくりと…ゆっくりと…  もううんざりだった。  彼は静かに立ち上がると、蝋燭の先で部屋を照らしている、小さな炎を握りつぶした。
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