逃亡

2/4
前へ
/260ページ
次へ
「ナミ!」 名前を呼ばれて振り返ると,一瞬で肩に担ぎ上げられていた。 「ちょ,ちょっとルフィι!」 ぐんぐん過ぎていく景色を目の前に,私は彼の背中を叩いて止まるよう抗議する。 「どうした?」 けれど,全力疾走を続ける彼は,軽く振り向いて私に訊ねるだけで,止まるどころか更に加速した。 「それはこっちの台詞よ!」 「…海軍に追われてんだ。 逃げるしかねえだろ?」 「え…かい…ぐん?」 彼は走りに走って,街中を過ぎて森の中,海辺に向かって走り続ける。 人気のない波打ち際まで来たところで,やっと私を降ろしてくれた。    
/260ページ

最初のコメントを投稿しよう!

412人が本棚に入れています
本棚に追加