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「もう大丈夫だろ」
「そうね。
たぶん捲いたわ」
綺麗な砂浜に寝転がって,彼は疲れた様子も見せずに満足そうに笑う。
「よかったな。
逃げきれて」
「…うん。
ありがとう,ルフィ」
私も笑って彼に返した。
でもね,ルフィ
私,知ってるのよ?
「あんたがいなかったら,逃げきれなかったわ」
本当は海軍になんて
追われてなかったんでしょう?
私は彼に騙されたまま,手招く彼の横に座って顔を近付けると,そのまま優しくキスをされた。
人混みの穏やかな喧騒から拉致されて静かな波打ち際で二人きり。
たまにはこんな逃亡も悪くない。
だからもう少し私は貴方に騙されていよう。
END
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