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茵で横になっていた彰子は強い風の音で目を覚ました。
春になったとはいえ,まだ寒い夜が多い。
外では激しい風の音がしていた。
風のせいで妻戸がカタカタと揺れていることに気付く。
自分の眠りを妨げたのはこの音だったのかと,彰子は一人納得した。
夜明けが近いのか,外は白々と明るくなってきている。
今日も昌浩が夜警に出ていた。
明るくなってきたということはそろそろ彼が戻ってくる頃だろうか。
彰子は茵から出て立ち上がると袿を羽織り,部屋を出た。
外では相変わらず強い風が吹いている。
彰子はふと足を止めて庭に出た。
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