呼び名

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  天后は優しく穏やかな気性の神将だ。 曲がったことを嫌う潔癖な性状で,それは今も昔も変わらない。 「昌浩様…泣きますよ」 「…それはちょっと困るかなι 色んな意味で…ι」 勾陣や青龍に見つかったら,冷たい双眸で睨みつけてくるに違いない。 特に勾陣は天后と仲が良いので,怒ったらそれはそれは物凄く恐いと思う。 背中に冷や汗を感じた昌浩は,頭を振って天后を一瞥した。 「ところで天后はどうして元気がないの?」 「!!」 急に真面目な顔つきになった昌浩に天后は驚いて目を見開いた。 気付かれないように平然としていたのに。 この青年は昔からちょっと些細なことがあっても,すぐに気付いてしまう。    
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